
普段よく使う筆記用具は、テーブルの上に出しっぱなし。
その他の文具は引出しの中。

これらの出番は月末。
この数日、引出しを開けっぱなしで作業をしました。
開けっぱなしの引き出しに、ぶつけて痛い思いをするのは私だけ

”ここにある”っていう安心は、事をスムーズに進めます。
文房具と言えば。
お片付けに伺ったお宅で
「使った人が元に戻してくれない!」という訴えを聞くことが多いです。
そんなに複雑な場所に置いてはいません。
よく使うし、よく聞かれるからだと思いますが。
むしろ誰に聞かなくても使えるように、分かりやすい場所に置かれています。
でも面倒くさがりの人にとって、”使った場所に置きっぱなし”に勝る収納はないのです。
使った場所に置きっぱなし。
そのうちモノに埋もれて隠れてしまう。
次に使うとき、定位置にはもちろんない。
クルッと見渡す程度では見つからない。
モノをひとつひとつ持ち上げながら探すはめになるのです。
片づける人はそっちの作業が面倒だから、置き場所を決めて元に戻すのだけど。
面倒くさがりは、先の面倒より今の面倒。
私はどちらの性質も持っているからよく分かる。
「私ならどうするんだろう?」と、妄想が始まる。
お客様と私も違う。
お客様の家族と私の家族も違う。
でももし、お客様のこの環境の中に私がいたら、どうしてるだろう?
私なら。
サクッと自分専用のお道具箱を作りますね。
自分の部屋か?
自分だけが使う引出しか?
そこに入れておいて、まずは私が困らないようにする。
私自身がイラッとする状況を取り除くのです。
そして「はさみがないんだけどー」って言われたら、
「私は使ってないから知らないんだけどー」と答える。
「ないと困るんだけど!」と言われたら
「そりゃ困るでしょうね」と言う。
「もうっ!探してよ!」と言われたら
「最後に使ったのどこ?」と聞く。
使う人が複数人いるなら、全員に聞く。
そしてその場所に行って探させる。
本当は探し物好きだけど、あくまで手伝う程度にして、自分で探してもらう。
そうして使いたいものを見つけ出すことがどれだけ面倒で煩わしくてイラッとするか。
とことん、とことん味わってもらう。
そして元に戻す方がラクなんだということを体感してもらう。
私が思うに。
困らないから同じことを繰り返すのだと思うんですよ。
ある本にも書いていましたけど、「人間は失敗をしたと思うと次の失敗を恐れるようになる」のだそう。
誰かが元に戻しておいてくれる。
誰かが探して見つけてくれる。
誰かが困らないようにしてくれているから、そこに置きっぱなしでも置きっぱなしにした人は、困らない。
困らないから永遠に置きっぱなしにする。
私なら。
ストレスを根源から断ちたいのです。
でもそこにたどり着くには、時間と精神力を必要とします。
その労力に比べたら、”家じゅうの片付ける”を全部背負う方がラクかもしれない。
でも、一週間、一ヵ月、いや?一年?
その期間だけ踏ん張ってやり遂げられたら。
誰かが使った文房具を元に戻すことも
誰かが使うための文房具を探すことも
この先ずっと手放せる、と私は思うのです。
そんな妄想を口にしてしまうこともあるのですが、受け入れられることは少ないです

そりゃそうです。
人には実行できない事情や感情があるのです。
それよりも魔法のようなひと振りで解決できる方法がほしいですよね

ただ残念ながら私はそんなひと振りを思いつかない。
なので整理収納アドバイザーという仕事は好きだけど、向いてはいないんだろうな、認識しています。
あ、ちなみに一応アドバイザーの勉強はしたので、使う人に聞いて戻しやすい方法を探る努力はします。
娘と暮らしているときはその繰り返しでした。
親子でも違うんだな?ということが発見できて楽しかったですけどね。

こちらは無事台風が通り過ぎました。
みなさまのところも、何事もなく通り過ぎますように。




