私の祖母は大腸がんを患い、入退院・手術を繰り返した末、21年前に他界しました。
私たち姉妹が小学生くらいまで、共働きの両親に代わって面倒を見てくれた祖母です。
手がかからなくなったぐらいから両親が経営する居酒屋の手伝いをし、自称看板娘だと言ってカラカラ笑い、お客様にも大人気だった祖母です。

そんな祖母が病気になって入院したころ、私は結婚して家を出ていて、家事に子育てに仕事にと追われる日々でした。
なかなか時間が取れなかったけど、祖母は孫を溺愛してくれていたので少しでも元気になってもらいたくて、当時2歳の娘を連れてよくお見舞いに行っていました。
娘はブドウが大好きで、祖母がお見舞いでいただいたブドウのほとんどは娘が食べつくしたんじゃないかな???

いろんな会話をしたけれど、ある日専業主婦をさせてもらえなかったと愚痴をこぼす私に祖母は、叱るでもなく慰めるでもなくただ一言、「人間は一生働かないと!」と。
病気になって体が自由にならなくなる瞬間まで気分よく働き続けた祖母のその言葉のおかげで、自分でも驚くほど強い覚悟ができたことを今でもはっきり覚えています。
祖母は私にとって女性として生きる上で手本ともいえる大きな存在です。

そんな祖母あてに郵便が届きました。

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「ばあちゃんあてにこんなんが届いたんやけど」と父。
はい、、、いつもの丸投げです。

早速コールセンターに問い合わせてみたところ、孫でも手続きはできるとのことだったので、必要なものを準備し、郵便局に向かいました。

ところが。
到着したのが16時12分。
貯金の窓口は16時まででした。。。
痛恨のミス。

暫く予定の入っている日が続いたため数日後にリベンジ。

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そしたら今度は書類の記入が必要で、そこに記入しないといけない内容に私では分からないことがあり、さらに書類が完成したら、次はそれを県外のセンターに送って、そこからまた必要な書類の指示があって…。
また出直しです。

はぁ…先は長いなぁ…。
残高は18,000円ちょっと。
その説明を聞いている時に私の頭の中では「もうほっとこうかな…」が何度も何度も渦巻いていました。

でも、多分このお知らせはこの21年の間に何度かあったはず。
今回が初めてではないはず。
父なり母なりがちゃんと後始末さえしていれば、業務とはいえ人様の手を煩わさずにすんだはず。
それを私までが「メンドウ」だと放置し、これから先もしなくていい作業をさせてしまうことを私は平気でいられるのか?

しかも。
私はいつから18,000円をないがしろにするような人間になったのか?

今思えば無駄なものを買わず、持たず、毎日リズムよく暮らしていた祖母は、私の憧れるミニマリストだったように思います。
そんな憧れの祖母が最後まで働き続けてひそかに残っていた18,000円が無駄なものであるはずがない。

ちゃんと手続きをしよう。
私がここでちゃんと祖母の後片付けをしておこう。
そんな風に思いながら郵便局をあとにしたのでした。

帰宅後、私では分からない内容を父に確認して書類はOK。

次に郵便局に行くときは、全く使っていない残高182円の私の口座を解約してこようと思います。

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ゆうちょ銀行のこのブラックな通帳が大好きだったけど、ただそれだけ。
どうにも使い道がありません。。。

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そしてこれを整理できたら私の口座は
・仕事用
・自宅用
・貯蓄用
の3つになります。
もちろん3つとも同じ銀行のモノ。

私に何かあれば娘はこの銀行に行くだけですべてを完結できます。
口座の持ち方はいろんな考え方があるでしょうけど、「娘の手を煩わせない」というのが私の目的でもあり、判断の基準でもあり、それが揺らぐことはありません。
なのにブラックな通帳が好みすぎて手元に置いていたという矛盾…。笑
祖母の口座の手続きのおかげでその矛盾を断ち切れました!


そんな口座のことも含めて来月発売される本に掲載していただきました。
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ということは?
この時点での口座には私の矛盾が紛れている状態…ということにもなるけれど。
それに気づくのはこのブログを見てくださっている方だけ。
もしこの本を手に取ってご覧くださったとしたら、
どうぞご内密に…笑



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