残暑厳しく日中はまだまだ暑さでクラッとするけれど、少しずつ涼しさを感じられる時間が増えてきました。
涼しくなったらはじめようとしていることがあります。
それは母の遺品整理。
私が高校3年の時、実家を早く出たいばかりに寮生活できる就職先を探していた程、その頃から私にとって実家は居心地の悪いところでした。
そして22歳で結婚し、ようやく念願の”家を出る”ことができました。
それ以来、毎日顔を合わせていたわけでもなく、お互いにさっぱりした親子だったので気がついたら数ヶ月会話もしてなかった、みたいな感じで。
なので母がいなくなった今も、いつもと変わらず車で出掛けてお友達とランチにでもいっているような感覚があって、正直居ない気がしない。
なのに実家に一歩足を踏み入れるとそこは現実。
伝わってくる母の存在感と母が愛したモノたちに向き合うことができずにいます。
こんな仕事をしていることもあって、母からは「私が居なくなったらあんたに全部捨てられるんやろな」なんて言われていたし、母にとって思い入れのあるものだとしても、私にとって必要でないものはどうにか処分するしかないし、って冷静に思っていた気がします。
なのに。
自分が想像していた以上に苦しい。
苦しい。
苦しい。
育ててもらった感謝はもちろんあります。
でも成長過程でいろんなことがあり、決して仲良しな親子ではなかったと思います。
だから私は冷静に対処できるって思っていたけど、そんな私ですらこの思い。
手本になることもあるけど、一方で反面教師なところもある母でした。
小さな背中だけどいろんな角度を見せてくれて、それが私の生き方のベースになっているように思います。
そして最後の最後に、その場面にならないと気付くことができない感情を教えてくれたのかもしれません。
これからの私にとってはとても大切なこと。
甘やかすのではなく厳しい育て方をしてきた母らしい。
だとしてもお母さん、これはあんまりにも辛いじゃないの…。
何度も何度も足を運んでいるけれど、その度に覆われる感情に耐えられず、何もできず。
これらのひとつひとつをいとおしむように作って飾って…
この小さな部屋で小さな母が、ひっそりとそんな時間を楽しんでいたんだろうなと思うとやりきれません。
まさかこの私がこんな思いをすることになるとは、母も想像すらしていなかったのだろうけど。
「涼しくなったらはじめようか?」
一番辛いはずの父がそう言っているので、私もそれまでにこころの準備を。
いつもなら涼しくなるのが嬉しいのに、その日が近づいているように思えて、いつもとは違う残暑の8月です。
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