2年に渡って実家の片づけをしてきた私に
”聞きたいこと”を募集させていただいたところ
たくさんのご質問をいただきました。

書籍の中にもQ&Aページがあります。
こちらの書籍はそんな皆さまからの
”聞きたいこと”を盛り込んだ内容にしよう!
という取り組みで作っていただきました。

あわせてブログ内でも
少しずつお答えしたいと思います。

お送りいただいた方の多くが
個々のご事情をお伝えくださっていたのですが
念のためこちらでは私へのご質問のところを
抜粋してご紹介させていただきますね。

お父様との関係や、
片付けの整理に至るまでのお父様への
声かけや工夫など教えていただきたいです。
貴重品などどうやって、
元気なうちに管理しやすい状態にできるのか、
とても悩んでいます。


父との関わり

私が実家に住んでいた頃の家族構成は
母方の祖母・父(養子)・母
妹・私の5人家族です。

父曰く、祖母に遠慮して
娘である私たちと関わりづらかったのだそう。
うっそー!
「おまえら先に帰っとけ。わしはパチンコ行ってくる」
って言われたのを幼心にうっすら覚えている…


私たちが子供の頃、父は実家ではなく
別の場所で飲食店を経営していました。
仕事が終わっても家に居づらく
飲みに出掛けていることが多かったので
親子の会話はほぼありませんでした。

コミュニケーションが取れていない
親子だったとは思いますが
その分、喧嘩をすることもなかったので
ある意味絶妙な距離感を保っていたと思います。

父への声かけや工夫

そんな父との会話が増えたのは
母の病気が発覚してからです。

同時に父が家のことについて
まったく関知していないことも分かりました。

何を聞いても「わしは知らん」…です。
妹とも相談して
「こんな時こそ私たちが出しゃばりすぎず
父がどうしても手に負えないところを
確認しながら対応していこう」と決めました。

父はこれまで「知らん」で通していたことを
母の代わりに精一杯してくれるようになりました。

父に対して不満ばかり言っていた母も
最後の最後に父が労り寄り添ってくれたことを
とても喜んでいました。
ずっとそうして欲しかったんだなぁと感じました。
父を頼りにしている母がかわいく見えた!

母が他界してからは
さらに父と関わる時間は増えました。
母の手続きに追われたからです。

ある時、一緒に書類を確認してた父がボソッと
「自分の時にはしんどくないように
準備しとかないかんな」と。

そこで私は、
「歳は関係ないもんね。
 私だって明日急に倒れるかもしれないし
 事故にあって話せなくなるかもしれないしね。
 だから私もお金のこととか書類のこととか
 準備して〇〇(娘)に伝えとんよ。
 まだぜーんぜん途中だけどね。
 一緒にお父さんのもボチボチ整理しとこか。
 なんかあってからこういう話するの
 辛いもんなぁ。
 お母さんの時も聞きづらかったよね。
 私と〇〇〇(妹)が分かるようにさえしといたら
 何かあってもお互いに安心やしね。」
と、伝えました。

私が言葉をかける時に意識したのは
「高齢なんだからやっておかないと」
というよりも、
「人は誰だっていつどうなるか分からない」
という伝え方をすることです。

自分の娘の歳ですら
やっている、やろうとしている
と知ったことで
「自分だけが…」から「自分もやっておこう」
と前向きに受け止めてくれたと感じます。

もうひとつは過去を責めないこと。

これまで父が母に任せきりにして
無関心でいたことや、何の蓄えもないことを
責めず否定せず、これからのことに対してのみ
会話するようにしたことで
やりとりがスムーズになったと思っています。

病気になったときにかかる費用、
葬儀代の他、手続きにかかった費用、
片づけでかかった処分代など
お金に関することはもちろん
誰に何を依頼するかなど、
考えなければいけないことが押し寄せます。

父はこれまでのクセでついつい
人任せにしようとしてしまいます。
母の愚痴のおかげで私の依存センサーも敏感に!

それをまともに受けると私の負担になります。

だから「任せる」と言われたことを
「任せられっぱなし」にせず
報告して相談して分担しながら進めることで
父も様々なリアルを目の当たりにし
自ずと何をすべきかを考え
決断してくれるようになりました。
片づけの途中の段階で
不安箇所を埋める保険に加入してくれたほどです。

IMG_4543
突然スイッチが入って黙々と作業を始めた父

貴重品を管理しやすい状態にする

そういう相談ができるようになると
情報を共有することになるので
自然とそれらの書類や貴重品等の
保管場所をどうするか?という話になります。

「こういう書類とかをさー、この棚整理して
 空けたところにまとめるようにする?」
「そやな、それが一番分かりやすいやろな。
 そうしてくれ。」

モノの場所を決める時はたいていこんなやりとりです。

親が元気なうちに実家を片づけられたら
それが一番いいんだけど
実際には困難な場合が多いですよね。

私が片づけた体験から思うコツは

あくまで実家。
あくまで親の暮らし。
親のためを思って背負いすぎないこと。

私が実家をどうしたいか?ではなく
親がこれからどんな風に暮らしたいのか?を
イメージしてもらうこと。

したくないこと、嫌なこと
不安なことをゆっくり話してもらうこと。

とことん聞いたうえで
親に万が一が起こった時の”私”の不安を伝え
それに対してどう思うか?を聞いてみること。

そこで初めてお互いの不安を解消するには
どうしておくのがベストかを
話し合えるのだと思います。

こうして親の感情も配慮しながら
声を掛けているにも関わらず
それでも受け入れてもらえない場合。
親からのSOSが発動されるまで待ちます。
私なら…ですが。

いざその時が来た時に
自分の暮らしが乱れずに済むように
まずは”私”のテリトリーを整えておくだけでも
ストレスは軽減されます。

また、自分の家を片づけることは
実家を片づけるための下調べにもなり
ウォーミングアップにもなりますしね!


今日も見にきてくださってありがとうございます!
良い一日になりますように♩

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